「NSO」ファーストアルバムについて

                   Joe Okuda


人は、そっと目を閉じて耳を澄ますとき、その心は自由になる。
重く不自由な身体を置き去りにして、心はあらゆる束縛から解き放たれる。

距離の制約からも、時間のルールからも解放され、
望むところに瞬時に移動することができる。

このCDは、皆さんをそんな「心の旅」にお連れするために作った。
あるときは満月の夜の森の中、あるときは昼下がりの川の畔へ、
またあるときは離れ小島の夜明けの浜辺へ。
そう、あなたを世界で最も美しい場所へご案内しよう。

準備を整えて、、、

さあ、そっと目を閉じて耳を澄まして下さい。

心の旅の始まりです。

 

1. Voyage

さあいよいよ「心の旅」が始まります。
聞こえてくるのは自分の鼓動。それは命の証。
そしてこの深く低く響く音は、、、、
地球が転わる音、宇宙の音、
胎児のころにお母さんのお腹の中で聴いた音、
それはあなた自身が感じるままに。



2. Yukidoke

夜明け前。まだ薄暗い。鳥達が呼び合う声に満たされた森。
空気はピンと張りつめて冷たい。真っ白い霧が薄く漂う。
朝露に濡れる木々の緑はどこまでも深い。
耳を澄ますと、遠くから聞こえてくる雷が雨の訪れを告げる。
森に降る雨は暖かい。木々が風に揺れる。

そして通り雨は間もなく止み、雨粒が溜まり水たまりを作る。
水たまりがあふれ、小さな流れを作る。その流れが集まって、
小さなせせらぎとなる。それらはいずれ海へと流れ込み、
そしてまた雨となって森に戻ってくる。

この水のサイクルは命のサイクルだ。



3. Gentle Afternoon

たくさんの小さなせせらぎが集まって、小さな川になる。
小さな川が集まってだんだん大きな川へと形を変える。
ゆったりと流れる川。川面は陽の光を受け、きらきらと輝く。
その畔にそっとたたずむと、心はゆるやかにほどけていく。



4. If I . . .

ゆるやかに流れる水の流れを見つめていると、
心は過去と未来を自由に行き来する。
幼い頃に出会ったあの人。
今はどうしているのだろう。

「あの時、もし、、、」

それは過去の想い出。今から変えることは出来ないが、

でも「もしあの時、、、」

込み上げる想いは止められない。

 

5. In Your Arms

ゆるやかに、ゆるやかに、寄せては引く波。
そのゆるやかにゆれる波に、身をまかせる。
ゆらゆらとゆれるままに揺られていると
愛する人の腕に抱かれてゆられていたあの時を思い出す。
世界で一番安らかな場所。
そこにいたことを思い出す。

 

6. Momiji

穏やかな昼下がりの海を見つめているうちに、
陽はゆっくりと落ちて行く。
空は徐々に赤身をおび、日の暮れを告げる。
陽の光は水面に反射し、きらきらと光り、
暖かい風が頬をなでる。

子供の頃に両親に連れていってもらった海水浴の想い出。
そんなことを思い出していると、おもわず口に出たメロディー。
子供の頃に好きだったあの曲。

 

7. Memory Of Her

とっぷりと日が暮れた森を歩く。
ミミズクが鳴き、虫が歌う。
夜の住人達がゆっくりと夜のいとなみをはじめる。
ひとり夜の森を歩くと、家族、友人、恋人、、、
いろんな想い出の顔が浮かんでは消える。
そんなとき、いきなり現れたあの人の顔。
あの人も自分のことを同じように思い出しているだろうか。

 

8. True Dark

漆黒の闇。

月夜のはずなのに、厚い雲に覆われて森に光は降りてこない。
自分の手すら見えないほどの闇。だが不思議と恐怖は感じない。
夜の森の神様が優しく向かえてくれているのが分かる。
闇に包まれ、身をまかせていると、
夜の生き物達が楽しそうに動き回っているのが分かる。

すると突然、雲の切れ目から月が顔を出し、
光のシャワーのように、森に月の木漏れ日が降りてきた。

 

9. Eclipse

夜の海に出る。満月の光にゆれる海。
丸い月がゆるやかに欠けていく。
ゆっくりと陰が月を隠していく。
そしてその姿を完全に消してしまった。皆既月食だ。
月があったあたりを眺めていると、赤く染まった月がゆっくりと顔を出す。
宇宙のいとなみ。そして自分。

 

10. On The Way Home

夜明け前の海。空は濃いブルーへと色を変える。
家路へと向う足取りは軽い。
早起きの鳥達が、朝がもうそこまでやってきていることを
教えてくれる。
そして空はゆるやかにその色を明るく変えていく。

 

11. Our Song

水平線の向こう側がゆっくりとオレンジ色に光りはじめる。
上空はまだ濃いブルーのままだが、水平線を出発点に、
オレンジから濃いブルーへのグラデーションを描く。
空が最も美しい色を見せる時間。
そして「心の旅」の無事を祝うかのように鳥達が歌う。

 

12. Where I Came From

自分が来たところへ、心の旅を始めた場所へ戻ろう。
それは身体を置き去りにしてきた、あの場所なのだろうか。
それともその前にいた場所なのだろうか。
それとも、もっともっと前にいた、、、、
あなただけが知っている場所かも。

 

13. End Of Voyage

旅の終わりが近づいてきた。命の始まった場所に戻る時が来た。
旅の終わりは、新たな旅の始まりでもある。
こうして命は延々と旅を続けるのだろう。

どこを目指して、、、、なんのために、、、