PCM-D50発表!
また新しいモノ好きの心をくすぐる製品が発表された。ソニーのPCM-D50。
昨年秋に発表されたPCM-D1の弟バージョンだ。D1の最大の特徴として話題になった
アナログVUメーターがはずされ、その分小さくなった。しかしレコーダー部の
スペックはほぼ同様とのこと。しかも価格はD1の1/3くらい。これはかなりコスト
パフォーマンスの高い製品かも。
実際に手に取ってみると、ずっしりと手ごたえがある。重いというより、このずっしり
感が信頼感につながるような手ごたえである。取説を読まずに使い始めてみるが、
すべての操作が直感的にさくさくと出来る。基本は兄貴分のPCM-D1とほとんど
同じなのだが、いくつか付け加えられている個所がある。
裏面に付けられたローカットフィルターのスイッチと、リミッターのスイッチ。
これはD1ではメニュー操作で設定していたのだが、それがスイッチとして
外に出ているので、メニューに入ることなく操作出来る。このように頻繁に
切り替える機能が、スイッチとして出ているととても操作が楽なのは、
実際に使ってみると良く分かる。
早速、明治神宮に試し録りに行ってみた。D1に装備されていたマイクが
XY方式の固定だったのに対し、このD50のマイクは可動式だ。通常はXY方式の
角度に設定されているが、左右120度まで開くことが出来る。これによって、
単体の楽器を録るときのように、前方のものを確実に捕らえたいときはXY、
フィールド録音のように、臨場感やステレオ感を重視したいときは左右に開く、
というように、用途によってセッティングを変えられるのが嬉しい。
というわけで、明治神宮の森の音をマイクを120度に開いたセッティングで
録ってみた。録った音を聞いてみると、見事なステレオ感が再現された。
低域はまあるく柔らかく押さえ気味ではあるが、通常の使用の場合こういう
キャラクターの方が使いやすいと思うことがよくある。僕が普段使っている
ノイマンのバイノーラルマイクは、低域がえ!っと思うくらい伸びているので、
明治神宮のような外の街のノイズが漏れ聞こえる場所では、ゴーっという
低域ノイズをむやみに拾ってしまい、困ることがよくある。
アクセサリーとして、レザーケース、ウィンドスクリーン、スタンド、
リモコンが別売りとして用意されているので、自分に必要なものを
買えば良い。このなかで特に気に入っているのがリモコンだ。
離れた位置にセットして、録りたいときに手元のリモコンで操作出来るのは
とても便利だと思う。自分の演奏を自分で録音する場合には絶対に便利だし、
他にもいろんな楽しい使い方が考えられそうだ。
それにしても、各メーカーから魅力的なコンパクトレコーダーが
ぞくぞくと発表されるものである。選ぶ方としてはどれにしようか
迷ってしまうくらい多くの機種が出回っている。
なんだかにわかに録音の世界が賑わっているようで、嬉しくなってしまう。